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1か月に6つの台風が連続でフィリピン襲来 24号は猛烈な勢力で接近中

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2024/11/16 12:30 ウェザーニュース

10月下旬から相次いで発生した6つの台風。フィリピンのルソン島には、台風20号(チャーミー)・台風22号(インシン)・台風23号(トラジー)・台風25号(ウサギ)が上陸、台風21号(コンレイ)が接近しました。いずれの台風も大雨をもたらしています。

そして台風24号(マンニィ)が猛烈な勢力で接近中で、被害の拡大が懸念されます。
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いずれも発達して暴風域を伴い上陸

台風20号(チャーミー)は10月24日にルソン島に上陸し、大雨によって土砂崩れが発生するなど大きな被害をだしました。台風21号(コンレイ)はやや北を離れて通ったものの、10月30日の最接近時は非常に強い勢力まで発達していたこともあり、ルソン島北部で大荒れとなりました。

台風22号(インシン)は11月7日に非常に強い勢力でルソン島の北部沿岸に上陸。台風23号(トラジー)が11日に強い勢力で上陸しました。さらに台風25号(ウサギ)が14日に非常に強い勢力で接近・強い勢力で上陸しました。

被害の全体像は見えていないものの、いずれの台風も暴風域を伴っていて、多い所では200mmを超えるような大雨が降っています。
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台風24号は最も強い「猛烈な」勢力で接近中

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台風25号(ウサギ)よりも先に東で発生していた台風24号(マンニィ)は、昨日15日(金)から急速に発達して、今日16日(土)には猛烈な台風になりました。猛烈な勢力は台風の階級の中で最も強いランクです。中心気圧は920hPa、中心付近の最大風速は55m/s、最大瞬間風速は75m/sと解析されています。衛星画像をみると、小さく引き締まった「台風の眼」が確認でき、猛烈に発達していることがわかります。

台風24号(マンニィ)はこの勢力を維持したままルソン島南部の沿岸を進み、明日17日(日)までに上陸・横断する予想です。一連の6つの台風のなかで最も影響が大きくなることも考えられます。

コンピューターシミュレーションの計算では、18日(月)までの雨量が500mmに達すると予測しているものがあり、大雨災害が起こる可能性が高まっています。これまでの大雨・暴風で被害を受けた地域ではさらに被害が拡大するおそれがあるため、厳重な警戒が必要です。
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気象衛星画像提供:NICT 情報通信研究機構

台風の名前

北西太平洋や南シナ海で発生した台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。

台風20号の名前「チャーミー(Trami/Trà My)」はベトナムが提案した名称で、バラ科の花の名前からとられています。

台風21号の名前「コンレイ(Kong-rey/កង្រី)」はカンボジアが提案した名称で、クメールの伝説上の少女の名前/それが元になった山の名前からとられています。

台風22号の名前「インシン(Yinxing/银杏)」は中国が提案した名称で、木の名前(イチョウ)からとられています。

台風23号の名前「トラジー(Toraji/도라지)」は北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が提案した名称で、桔梗のことをさす朝鮮語からとられています。

台風24号の名前「マンニィ(Man-yi/萬宜)」は香港が提案した名称で、現在は貯水池となっている海峡の名前からとられています。

台風25号の名前「ウサギ(Usagi/兎)」は日本が提案した名称で、うさぎ座・兎が由来です。
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